弊社は大正の時代より地元（山形県庄内地方）のお客様におせわになり今日にいたっております。この間平成4年に島津印刷（新潟県新発田市）グループの一員となり最先端の印刷技術を享受することにより一層巾の広いお仕事をさせていただいております。

時は平成25年、振り返りますと印刷は革命的に進化いたしました。写植、版下、レタッチなどのプリプレスはMacの登場によりデジタル化されたデータとなり職人たちから仕事を奪ってしまいました。

印刷分野に於きましてもオフセット印刷に代表されます有版タイプの従来型方式のみならず無版タイプのインクジェット、レーザーなどの躍進がめざましくなり年賀状などの印刷は一般家庭で印刷できる時代になりました。
テクノロジーの革新は世の中に利便性をもたらし、業界には利益をもたらすものと確信しておりましたが印刷業界は「印刷技術」というパンドラの箱を開けその結果、効率化という名のもとで印刷価格の下落を招き、その首を自ら絞めてしまったようです。

またインターネットの普及により印刷は情報伝達の主役の座も明け渡してしまいました。

今、問われるのは印刷物の新たな役割、またその機能ではないでしょうか。

人間社会において「ハイテクが進行すればするほど、人々はハイタッチ（ふれあい）を求めるようになる」と言われます。お客様にとって価値のある、印刷物にしか成し得ない「手ざわりや風合いを楽しめ、思わず手に取ってみたくなるような」そんな印刷物の新たな価値の創造に取り組んでいきたいと思います。

朝日印刷株式会社　代表取締役　島津延義